憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
実家に戻ったところで電波が届かないわけでもないのだから、それくらいはできるはず。

「きっと戻ったら携帯は解約させられるだろうし、今までの人間関係はリセットさせられるだろうな」

困ったように彼が笑い、泣きたくなった。

「だったら結婚式の写真、送れませんね……」

はぁーっと私の口から憂鬱なため息が落ちていく。

「そうだな。
七星との思い出はこの、指環しか持っていけない」

愛おしそうに彼が、左手薬指に嵌まる指環を撫でる。

「でもまた、お母さんに指を切り落としてでも外させるとか言われないですかね?」

思い出して、身体がぶるりと震える。
聞いたときは冗談だと思ったし、まだそこまでする人が本当にいるのだろうかと信じ切れていないところではある。

「あー……。
俺の嫁とやらが決まったら、そうするかもな」

ははっと彼の口から、乾いた笑いが落ちていく。

「ルナがああなっただろ?
宇佐神家の嫁にはふさわしくないと急遽、新しい嫁の選別をしているらしい」

龍志は呆れているが結婚はしないと再三、言っているにもかかわらずこれとはそうなるだろう。

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