あきれるくらいそばにいて


「さぁ、葉月。こっちへおいで。」
「ヤダ、、、パパ、こっちに来ないで!」
「大丈夫だよ、葉月。痛くしないから。」
「ヤダ、やめて、、、やめて、、、」

不敵な笑みを浮かべながら、わたしに手を伸ばして来るパパ。

やめて、、、

やめて、、、

やめて―――――







「やめてぇー、、、、!!!」

そう叫びながら目を覚ますと、わたしは涙を流しながら汗だくで布団から飛び起きていた。

息を切らせながら、夢だったことに安堵する。

またこの夢をみてしまった。

過去の父親へのトラウマからみる夢。

わたしは中学生の頃、父親に処女を奪われ、性的虐待を受けていた。

「あの人の葉月への接し方、おかしいのよ。普通じゃない。」

母親と祖母が陰でそう話しているのを聞いたことがあるが、母も祖母も気付かないフリをして助けてくれなかった。

わたしはこのトラウマのせいで、今まで付き合ってきた男性とセックスをしたことがなかった。

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