あきれるくらいそばにいて
「何だ?担当は舟田さんじゃなかったかね?」
ファイルを見つけたのがわたしだった為、嶋村課長は「舟田さん、人事部の仕事は個人情報が多くて大事なんだから、きっちり頼むよ?」と舟田さんを注意し、舟田さんは「申し訳ありません。」と頭を下げていた。
そして、嶋村課長はそのファイルを持ち、未来に何やら説明をしながら面談室の方へ歩いて行った。
すると、恥をかかされたと思った舟田さんは、わざとわたしが開けた棚に並んでいるファイルに手を引っ掛け、バラバラに落とした。
「あーら、ごめんなさい。つい、手が滑っちゃって。片付けよろしくね。」
そう言って、舟田さんは不敵な笑みを浮かべると、自分のデスクに戻り、会計の笹田さんとお喋りを再開した。
やっぱりこうなるよね。
絶対、何か意地悪をしてくると思った。
わたしは何も言わずに棚から落とされたファイルを一人で拾い集めた。
すると、「大丈夫?」と駆け寄って来た未来。
ファイルが落ちた音で戻って来てくれたのだ。
「うん、大丈夫。未来は、嶋村課長のところに戻って?」
「でも、、、」
そう話していると、舟田さんが慌てて近付いて来て「白崎主任、ごめんなさいね!星野さんったら、鈍臭いんだから!」と言い、ファイルを落としたのはわたしのせいにして、ファイルを拾う手伝うフリをし始めた。
そんな舟田さんを見た未来は、舟田さんに向かい「舟田さん。ファイルを落としたのは、舟田さんですよね?僕、見てましたよ。」と言った。
舟田さんは「えっ。」と言いながら、ヤバいという表情で目を泳がせていた。