あきれるくらいそばにいて

午後になり、再び仕事に戻る。

着任したばかりの未来は、嶋村課長から指示を受けたり、説明を受けたりしていた。

すると、嶋村課長が「あ、舟田さん!うちの地区の担当社員の名簿、どこにあったっけ?」と言った。

会計の笹田さんとお喋り中だった舟田さんは、慌てて「え、あ、はい!名簿ですね!」と言いながら椅子から立ち上がると、色んなファイルが保管されている棚を開け、探し始めた。

しかし、なかなか見つからない。

それもそのはず。
地区の担当社員の名簿の管理の担当は舟田さんだが、実際に整理や管理しているのはわたしだからだ。

「えっとぉ、あれ?この辺にあったと思うんですけど、、、ちょっとお待ちくださいね〜!」

焦りながら探し続ける舟田さん。

そんな舟田さんを見て、嶋村課長は「舟田さん、大丈夫かね?ちゃんと管理出来てるのか?」と不信に思い始めた。

「大丈夫です!ちゃんと管理してますから!」

そう言いながら、「あれ?あれ?」と探し続け舟田さんを見かね、わたしは立ち上がると、舟田さんが探している棚の隣の棚を開け、迷わず黒いファイルを取り出した。

「舟田さん、これですよ。」

わたしはそう言って、地区の担当社員の名簿が入っているファイルを舟田さんに差し出した。

舟田さんは真っ赤な顔をしながらわたしを睨みつけると、「あ、そっちだったわね!」と言い、わたしからファイルを受け取ると、態度をコロッと変え、嶋村課長のところにファイルを持って行った。

< 7 / 55 >

この作品をシェア

pagetop