April〜恋に落ちる時〜
女性からおすすめのコーヒーとスイーツを教えてもらい、それを注文する。運ばれてきたブレンドコーヒーとスイーツは、桜士が今まで口にした中で一番おいしいと感じた。

(いいな。この空間……)

コーヒーを飲みながら桜士は女性の方を見る。彼女は奥のキッチンで洗い物をしているようだった。一人でこのカフェを経営しているなんて、桜士には到底できないことである。考えれば考えるほど、桜士の中で想いが膨らんでいく。

「あの、お名前を教えていただけませんか?」

桜士は訊ねる。キッチンから出てきた女性は微笑んで答えてくれた。

「小桜花枝(こざくらはなえ)と申します。お客様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「卯月桜士です。僕、ここの常連になります!」

桜士の言葉に花枝が「ありがとうございます。嬉しいです」と笑う。まるで花が咲いたような笑顔だ。春を代表する花である桜のようにどこか儚くて、それでいて美しい。

四月、桜士は新生活の始まりと共に恋に落ちた。
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