子猫令嬢は婚約破棄されて、獅子となる
しかし、彼女の態度を気にすることなくリディは自らのスカートの裾をちょんとつまんで、壇上にいる二人にお辞儀をした。
「ミカエラ殿下、わたくしリディ・ヴェルジールはあなた様からの婚約破棄のお申し出を受けさせていただきます」
「なんだと……?」
あまりにもすんなりとリディが婚約破棄を受け入れたため、ミカエラは怪訝そうに言った。
自分が知る限り気弱で内気なリディが泣いてすがるわけでも、目を潤ませてその場を去るわけでもなく、真っ向から意志の強い瞳を向けて申し出を受け入れると言ったことに、ミカエラは動揺した。
そんなミカエラと彼の隣で目を細めて警戒しているルルアにちらりと目をやった後、壇上横にいる王族席に目をやった。
そこには国王と王妃がおり、周りを衛兵たちが警護している。
そして、そんな王族席に足を踏み入れる者が一人いた──。
(準備が整ったようね)
その様子を見てリディはゆっくりと微笑みを見せた。
「な、何がおかしい!」
焦った様子のミカエラにリディは左右に首を振って返事する。
「ミカエラ殿下、わたくしリディ・ヴェルジールはあなた様からの婚約破棄のお申し出を受けさせていただきます」
「なんだと……?」
あまりにもすんなりとリディが婚約破棄を受け入れたため、ミカエラは怪訝そうに言った。
自分が知る限り気弱で内気なリディが泣いてすがるわけでも、目を潤ませてその場を去るわけでもなく、真っ向から意志の強い瞳を向けて申し出を受け入れると言ったことに、ミカエラは動揺した。
そんなミカエラと彼の隣で目を細めて警戒しているルルアにちらりと目をやった後、壇上横にいる王族席に目をやった。
そこには国王と王妃がおり、周りを衛兵たちが警護している。
そして、そんな王族席に足を踏み入れる者が一人いた──。
(準備が整ったようね)
その様子を見てリディはゆっくりと微笑みを見せた。
「な、何がおかしい!」
焦った様子のミカエラにリディは左右に首を振って返事する。