あの日、輝く君をまた見つけた

あの日、輝く君をまた見つけた

昔、木から降りられなくなった私を必死に助けてくれた男の子

「大丈夫?」

太陽のような笑顔で微笑みかけてくれた



君が、ステージにただ1人輝いて見えたんだ




猫をおって木に登り、降りられ無くなって震えていた天真爛漫な女の子

「ありがとう!」

木から降りて猫を確認するとふわっと笑った



君が、観客の中でただ1人輝いて見えたんだ




✻✻✻✻✻

「バンド見たいからついてきて!」

今日は私が通う高校の文化祭

友達に連れてこられ、バンドを見に来た

知っている人じゃないけど、盛り上がっているからやっぱり少しわくわくしていた。


大きなギターの音とともに登場した5人

校内で少し有名な男の子のメンバーらしく、観客は盛り上がっていた。



え、?



真ん中のボーカルの人、、?


あ、一瞬目が合った。


そして、あの時と同じ太陽みたいな顔で笑った。


少し茶色い髪と笑うと細まる目。



驚きが確信に変わった



ーー絶対あの時の君だ




出会ってから1度も忘れたことの無い


君は猫をおって木に登ってしまった私の手をとって一緒におりてくれた。

「大丈夫?」

真っ直ぐな目で私を見て首を傾げた。


そして、太陽のような顔で笑ったんだ。


「ここら辺に住んでるの?」

「うん、また会えるかもね。猫も君も無事で良かった。」


あの時から1度も会うことはなかった。

だけどあのときの笑顔がずっと頭から離れなくて


きっと初恋だった。



だから絶対にバンドの後話しかけよう、と意気込んだ



そのとき

もう一度目が合った


今度は目を離さない


あの時と同じ真っ直ぐな目で


ずっと


だんだん鼓動が早くなっていくのがわかる


だんだん顔があつくなってくる



それでも私は目を離せなかった。



「好きです。」



あ、これはきっと歌詞じゃない



歌には気持ちが込められていたけどそれ以上に気持ちのこもった4文字に感じた。



そして絶対、私に言った。



自意識過剰とかじゃない



君の目は私を捕らえていた




観客のざわざわも、君以外のバンドメンバーが奏でる音も全く聞こえなかった。




ただ1人君が輝いていて


私と君、2人の空間だった。



だから私も言わなければいけないと思った。



返事を聞かせて



君の目がそう言っているように感じたから。



「私も好きです」



大きくも小さくもない声で呟いた。



でもきっと君に届く



ほら、君は太陽のように笑った。





初めて思いが通じあった告白の話。


これからの青春は君とがいい。


私は演奏が終わってすぐ君のもとへ駆け出した。
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