June〜幸せにする〜
窓を大粒の雨が叩いている。六月。日本は全国的に梅雨入りし、連日雨ばかりだ。こうも雨が続くと晴れ間が恋しくなってくる。
水無月新(みなづきあらた)は洗濯物を畳む手を止めて窓の外を見た。脳裏にはまだ帰って来ていない恋人の時雨(しぐれ)みずきのことがあった。
(みずき、傘は持ってるだろうけど大丈夫かな……)
付き合って三年、同棲して一年になるみずきは、今朝は仕事帰りに本屋に寄って帰ると話していた。本屋は二人が住んでいるこのマンションの反対方向にある。
(この大雨で傘は役に立つのかな……)
窓の方をチラチラと見てしまう。雨は止む気配は当然ながら全くない。心なしか雨足が強くなったような気がした。
新は洗濯物を畳むのを再開した。洗濯物を畳んだ後は夕食の準備もしなくてはならない。家事はできる時にできる方がやる。これが新とみずきが決めたルールだ。
「夕飯……は、簡単なものでいいって言ってたよね。何作ろうかな」
新の胸が弾む。最近テレビが壊れてしまい、新しく買い替えたついでにNetflixを契約した。明日から休日ということで、今夜は映画をじっくり見ようと約束していた。
水無月新(みなづきあらた)は洗濯物を畳む手を止めて窓の外を見た。脳裏にはまだ帰って来ていない恋人の時雨(しぐれ)みずきのことがあった。
(みずき、傘は持ってるだろうけど大丈夫かな……)
付き合って三年、同棲して一年になるみずきは、今朝は仕事帰りに本屋に寄って帰ると話していた。本屋は二人が住んでいるこのマンションの反対方向にある。
(この大雨で傘は役に立つのかな……)
窓の方をチラチラと見てしまう。雨は止む気配は当然ながら全くない。心なしか雨足が強くなったような気がした。
新は洗濯物を畳むのを再開した。洗濯物を畳んだ後は夕食の準備もしなくてはならない。家事はできる時にできる方がやる。これが新とみずきが決めたルールだ。
「夕飯……は、簡単なものでいいって言ってたよね。何作ろうかな」
新の胸が弾む。最近テレビが壊れてしまい、新しく買い替えたついでにNetflixを契約した。明日から休日ということで、今夜は映画をじっくり見ようと約束していた。
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