すべての愛を君だけに。

小さな抵抗をしてみるけど。


手を掴まれて部屋の中へ。


扉の閉まる音と、繋がれた手から感じる歩ちゃんの体温と、部屋の中の煙草の匂いに頭がクラクラする。


歩ちゃんがいつも吸ってる煙草の匂いだ。


離れていく歩ちゃんの手の体温に名残惜しくなる。


両サイドには棚があって本やらファイルやらダンボールやらたくさん物がある。


ほんとうに小さな部屋。






「…歩ちゃんの部屋?」


「そういう訳じゃないけど、でも俺しか使ってない」






へー…こんな部屋知らなかった。


机の上には書類がてんこ盛り、その隣の灰皿には煙草の吸殻もこれまたてんこ盛り。


職員室言行っても思うけど、先生達って机の整理とかできない人達…?


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