すべての愛を君だけに。
キョロキョロ部屋を見ているとどこからが丸椅子を引っ張り出してきて、ポンポンっと叩く。
…座れってことね。
なるべくなら立ったままササッと終わらせたかったけど出来ないみたい。
浅く腰かけて座ると歩ちゃんも書類がてんこ盛りの机に丁寧になおされていた椅子を引っ張り出して座る。
窓辺にくっつけられた机で作業するには西日が入ってきて眩しそう。
でも西日に照らされた歩ちゃんはいつもよりもかっこよくて、キラキラ輝いている。
「昨日はどうした?」
「体調悪くて」
「じゃあ連絡しろ、心配する」
「ごめんなさい…」
歩ちゃんと2人きりなのに顔を見ることが出来なくて俯いて話をする。