すべての愛を君だけに。

「嬉しかったの、歩ちゃんの傍にいれるのが。…それだけでよかったのに、歩ちゃんが…っ、沙織先生と一緒にいるの見て……すごく苦しくて…、だから昨日休んだの」






体調が悪かったというのは嘘で、ほんとは1人で泣いていたということ。


何も知らなかった。






「まい、にち…歩ちゃんに会えるのが楽しみで学校にも来てるっ、…天ヶ瀬くんと一緒に居た時だって、歩ちゃんのことばかり考えて…それくらい好き…っ」






まだ10代のそれも実の姪に突然好きだと言われて、頭が真っ白になる。


何か、何か言わないと。


口を開いて出た言葉は、






「…雨は、俺の大事な姪だよ」






確実に彼女を傷つける言葉だった。


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