すべての愛を君だけに。
また別の日にかかってきた兄貴からの電話で、「お前が働いてるところに入学することになったから、雨のことは頼んだぞ」そう言われた。
...頼んだぞって言われたって何をしたらいいのかよくわからない。
とりあえず困った時は連絡するように、なんかあったら相談しろと雨には伝えた。
毎日毎日、満面の笑みで学校に登校しては俺を呼ぶその声に何も心配することなんてないなと思っていた。
「お母さんたちと一緒に海外に行かなかったのも、頑張って勉強してこの高校に入学したのも、全部歩ちゃんが好きだから…離れたくなかったからっ」
まさか、と思った。
そこまでして…傍に居たいと思ってくれていたこと。