すべての愛を君だけに。

「望月先生、そろそろ校舎見回り行きましょうか」


「分かりました」






窓の外はもう真っ暗なのを見て職員室の自分の椅子から立ち上がった。


文化祭準備前になると遅くまで残って作業をする生徒がいるため見回りと声掛けをしている。


自分の担任している学年の階まで行き、1クラスずつ見回りに行く。


準備も大詰めに入っていることからひとつの教室を除いて、教室には灯りが付いておらず、全然生徒は残っていなかった。



1番奥にある俺の担任しているクラスの教室は、まだ電気がついている。


誰がまだ残ってるんだ。
…少し、期待している自分がいた。


教室を覗くと机を向き合わせて2人、作業している女子生徒と男子生徒がいた。


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