すべての愛を君だけに。

想像はそこまででやめた。


これ以上すると泣きそうになる。






「忘れてたわけじゃない」


「じゃあ何?」


「いや…俺と2人でご飯とか、雨はどうなのかなって」


「わたしはずっと、連絡待ってた…っ」






泣くな、泣かないでわたし。


心の中で自分に言い聞かせ、ぐっと堪える。


夏休み中ずっと、ずっとスマホを見てた。
だけど歩ちゃんからの連絡は一向に来なくて。


…寂しかった。


夏休み最後の日にあんなことになってしまって、聞こうと思ってたのに、言おうと思ってたのに。


言えずに今日まで来てしまった。






「ごめん」






謝って欲しいわけじゃない。


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