すべての愛を君だけに。
「じゃあテスト返すからなー、平均点は59点。補習するやつ決まってるからまた個別に連絡する。ちゃんと来いよー」
「俺絶対やべー」、「望月ちゃーん、マジでやめてー」と、教室中から様々な声が聞こる。
出席番号順に返されていく解答用紙。
「比嘉」
「はい…」
立ち上がって歩ちゃんの所へ向かう。
テスト結果見たくなさすぎる…。
教壇の段差を登って、歩ちゃんの前に立つ。
わたしよりずっとずっと高い歩ちゃん。
見上げないと顔が見れない。
他の生徒には「お前、補習だからな」とか、「がんばれよ」とか言ってたのに。
「………」
わたしには無言で差し出す。