すべての愛を君だけに。
なに!?
そんなに点数悪いの?
点数を見ないようにテスト用紙を受け取って机へ戻る。
一呼吸おいて…薄目で答案用紙の点数を書いているであろう左上を見る。
「…60点」
平均点より1点取れてた…!
よかった…。
と思ったのもつかの間。
歩ちゃんの字で書かれた60の数字の下。
“放課後、社会科準備室に来るように”
綺麗な字で書かれていた。
「なんで!?」
ちゃんと平均点以上取れてるのに!
補習なんてなったら歩ちゃんからお父さんに告げ口される…。
最悪の想像をしていると、教室中の視線がわたしに集まっているのに気づく。
いつの間にか答案用紙は全員分返され、答え合わせの時間になっていた。
やばい…声大きかったかも…。
「そこ、うるさい」
「………すみません」
歩ちゃんが言うと教室が少しだけ笑いに包まれる。