すべての愛を君だけに。
期待したって無駄なのに。
…期待しちゃ、ダメなのに。
わたしは歩ちゃんから視線を離してノートに書かれた問題を見る。
ダメだ…好きすぎる。
きっと赤くなってる顔を隠すためにノートに顔を近づけて、歩ちゃんへの気持ちも隠すようにシャーペンを動かし続けた。
もう、頭の中ぐちゃぐちゃ。
歩ちゃんの声で繰り返される歩ちゃんの言った言葉を繰り返してるわたしと、問題を考えてるわたしとで何がなにやら。
なんとか終わらせた問題を見てもらう時でさえ、まともに顔が見れない。
なーちゃん…早く戻ってきてくれないかな。
「…よし、完璧だな」
「うん…」
俯きながら小さく返事をする。
なーちゃん早く早く…
心の中で唱えていたら、頭の上に重いものが乗ってきた。