すべての愛を君だけに。
何?と思って顔を上げる。
さっきより近づいていた歩ちゃんの顔。
伸ばされた手のひらで頭を撫でられてるってわかった。
「やれば出来るじゃん」
「ちょ…っ」
「さすが俺の姪」
高鳴ってた心臓が1度だけ大きく音をたてる。
手足に力が入らなくなる。
“姪”
歩ちゃんの口からその言葉を聞くのは…辛い。
「……でしょ?やればできる子なの」
笑って見せた
…ちゃんと笑えてるかな。
一喜一憂させられて。
辛いことの方が多くて。
だけど…だけど好き。
ぽんぽんと頭の上で歩ちゃんの手が動いて離れていく。
「んじゃ、今回の点数は全教科期待できるなー」
「勝手に期待しないで!」
大丈夫、大丈夫。
ちゃんと笑えてる。
ちゃんとわたし、歩ちゃんの姪になれてる。
…大丈夫。