すべての愛を君だけに。
楽しみで仕方なかったけど…こうやって扉の前に立つと緊張する…。
放課後、社会科準備室までやって来ました。
ふー…と深呼吸してノックをした。
「はい」と、声がして扉を開ける。
「失礼しまーす…」
机に浅く腰かけて煙草を吸う歩ちゃんの姿。
わたしが来たのを見るなり、窓を開けて煙草は灰皿に押し付けて消してしまった。
「別に吸っててもいいのに」
「体に悪いだろ」
そっくりそのままお返しします。
体悪くするものをお金で買ってる人が何言ってるんだか。
灰皿に煙草を押し付けながらこちらを見た歩ちゃんはすぐし視線を灰皿に戻す。