すべての愛を君だけに。
車の傍に立っている会いたかった人に駆け寄る。
「どうしたのっ」
「たまたま近く通ったから、どうしてるかなって」
歩ちゃんはスマホの画面をタップしてコートのポケットに入れて微笑む。
目の前に歩ちゃんがいるのが信じられない。
黒のタートルネックに黒のロングコートがまた似合いすぎてかっこいい。
もう真っ暗なのに歩ちゃんが眩しいくらい輝いて見える…!
「連絡くれないか、ら……っぷしっ!」
「そんな格好で出てくるから」
「だって歩ちゃんが!……わっ」
くしゃみをしたわたしの手を引っ張って引き寄せ、気づいたら歩ちゃんの胸の中。