すべての愛を君だけに。

画面に表示された名前はお母さん。


お母さん!?
こんな時間に…。


通話ボタンを押して耳に当てる。






「もしもし、お母さん?」


『雨ー?元気ー?』


「…声、大きいよ」






耳がキーンとなるくらいの甲高い大きな声で名前を呼ばれた。


電話が来るなんて久しぶり。


仕事が忙しくてなかなかかかってこないなと思っていると、こんな夜中にかかってきたりする。






『あなた、早起きねー。そっちは冬休みでしよ?』


「こっちは夜中だよ…」


『あら、そうなの?』






いつもこの調子。


時差のことなんて考えてないから、電話がかかってきても寝てたり授業中だったりで出れないこともある。


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