すべての愛を君だけに。
「あ、お母さん、わたし…っ」
『雨、何か食べたいものある?お母さん張り切って作るからなんでも言って!』
「うーんっと…じゃあ、肉じゃががいい、な…」
お母さんは電話を切る気は無いみたい…。
その間にも首筋にスリスリと擦り寄られ、くすぐったすぎてほんとに無理っ。
ふわふわの髪の毛が当たって、背中が変な感じ。
こうなったら脱出するしかない!
体をよじって…なんとか歩ちゃんから離れることに成功…!
『あ!そうそう!歩くん!歩くんにも会わなきゃ』
「え?歩ちゃんに?」
わたしの言葉に歩ちゃんも反応したように顔を上げる。
目が合う。