すべての愛を君だけに。
泣かせてしまった。
雨の泣いた顔は苦手だ。
自分の事のように悲しくて苦しくなる。
泣かせないように、守りたい。
いつも笑ってて、一生懸命な彼女のことを一生懸命守りたい。
「雨、起きろ」
いつまでもこうしていたいけど、寝るならちゃんとベッドで寝た方がいい。
名前を呼ぶとゆっくりと目を開け、背伸びをする。
「…んーっ、もう着いたの?」
「着いた、寒いから家に入りなさい」
エンジンをかけたままにしたいけど0時を過ぎた今、住宅街でそうするわけにはいかない。
少しずつ冷える車内に居たら風邪をひいてしまう。
雨は特に冬用のパジャマにカーディガンだけ。
しかも外で夜景を見てきたから風邪引かないか心配になってきた。