すべての愛を君だけに。
いつからが意思が弱く感情に任せて行動することが増えていることに気付いた。
…きっと、雨に好きだと言われた時から。
「あ!なんか今の先生っぽいっ」
「実際先生だろ」
にひひと笑う彼女の頬から手を離し、シートベルトを外してあげる。
その瞬間はスローモーションのようにゆっくり感じられた。
帰したくない。
そう思っているけれど、それは出来ない。
寂しそうにする雨の顔をあまり見つめられない。
「そんな顔するな、また連絡するし雨もして」
「うん…いつでも?」
「いつでも。会いたいって思った時とか、寂しい時とか」
「じゃあもう今寂しい」
うるうるした瞳で見つめられると…。