すべての愛を君だけに。
頑張れない理由はもうひとつあってうちの高校では、赤組と白組に分かれて行う。
最悪なことに見事になーちゃんと組が分かれてしまった。
練習も別々だし…最悪すぎる…。
「慶ー!こっち!」
「おー…うおっ!?」
「きゃっ」
靴箱から上履きを取ってはこうと屈んで居たら、横から誰かにぶつかられた。
バランスを崩してよろけるわたしの腕を強い力で引っ張られる。
おかげで倒れずにすんだ。
「悪い…怪我ない?」
「あ、はい。大丈夫です」
わー…かっこいい。
ふわふわ揺れる黒髪は少し長くて、彼の大きな瞳に入ってしまいそう。
掴まれたままの腕から熱が伝わってくる。