すべての愛を君だけに。
“夜、会えるか?”
そう打ったけど…消して打ち直し送信ボタンを押した。
“会いたい”
ただそう一言だけ送信してスマホをポケットに入れる。
腕時計で時間を確認するとまだ昼休みが終わるまで時間がある。
煙草をもう1本出して火をつけ、ふー…と息を吹く。
雨と沙織がいたところに目をやるともうそこに2人の姿はなかった。
煙草が半分ほど焼けた後、ピコンっとメッセージアプリの通知音が鳴る。
煙草を口に加え、スマホの電源ボタンを押す。
画面には予想していた通り、雨からのメッセージが届いたことを知らせる通知だった。
「返事早すぎだろ」