すべての愛を君だけに。
唇を離すとそこは赤い印が付いていた。
印の上をぺろっと舐めた後、雨が突然暴れ出す。
抱き締めていた腕を解くと振り返って俺の方を見てきた。
印をつけた場所を手で覆いながら。
「な、何!?なんか刺した!?舐めた!?」
「刺したって……ふっ」
刺されたと思ってることが面白くて笑う。
笑っている俺を見て困惑する雨がまた面白くて笑うのが抑えられない。
涙が滲むほど笑う俺を睨みつけてくる。
「何したの!」
「風呂に入るときでも見てみたら?」
俺の言葉に雨は、頭の上にはてなを浮かべたような顔をしているのを見てまた笑いが込み上げてくる。