すべての愛を君だけに。
これだ!
納得いく画角になったところでシャッターを押す、瞬間に視線がカメラの方を見た。
まあ、どうせシャッター音鳴るからバレちゃうんだけど…でも目線いただきました…。
ありがとう、神様。
歩ちゃんは最後に1回煙草を吸って、煙を吐きながら煙草の火を消す。
窓を閉めてわたしの所にやってくる。
「こら」
そう言いながら座っているわたしと視線を合わせるようにしゃがみこむ。
煙草の匂いが強くなる。
大好きな匂い。
「なに?」
「また盗撮したろ」
「だってかっこよくて」
わたしの手を取って自分の頬に添えた歩ちゃんとの距離が近すぎて…。
またあの日のことを思い出してしまう。