すべての愛を君だけに。

「雨!?大丈夫!?」


「大丈夫大丈夫……っ」






起き上がると膝から血が滲んでいた。


通りで痛すぎるわけだ…。


高校生にもなって派手に転けて怪我するなんて…。






「痛そう…保健室行こ」


「わたし1人で行けるから、大丈夫!なーちゃん早く行って!」


「でも…」






留まろうとするなーちゃんにいいからいいから、と言って笑う。


「先生には伝えとくね」となーちゃんは言ってわたしに背を向けて教室へと走っていく。


チャイムの音が鳴っている中、わたしはゆっくり立ち上がって保健室の方へ歩き出す。


ジンジン痛みが強くて上手く歩けない…。


膝以外には大きな怪我はしてないような気がするけど…。


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