すべての愛を君だけに。
なーちゃんの問いかけが何に対してのどうなのか分からず答えに困る。
「慶のこと。雨的にはどんな感じ?」
「どうって?」
「かっこいいとか、そういうこと」
「かっこいいけど、歩ちゃんのほうがかっこいい!」
「……まあそうだよね」
「え!なんで!!なんか変なこと言った?」
ため息をつきながらいつの間にか上履きに履き替えていたなーちゃんが階段の方へと歩き始める。
駆け足でなーちゃんに駆け寄って「なんでそんなこと聞くの!」て聞いても、「別にー」って言うだけ。
歩ちゃんはわたしにとって特別で
誰かと比べるなんてできない。
唯一無二の存在。
HR、早く始まらないかなー、
教室への足取りがさっきまでと違って軽くなっていた。