すべての愛を君だけに。
「んーーー!…はあ…いい天気」
青空の下、大きく背伸びをして新鮮な空気を肺いっぱいに入れる。
遠くからホイッスルと体育祭でよく聞く交響曲が聞こえてくる。
今は全校生徒で体育祭の練習時間。
わたしは1人でサボり中。
ここは主に使われている校舎の向かい側にある旧校舎で、図書室とか音楽室とかがある。
基本的には使わないから誰もいないし、サボるには最適!
そんな旧校舎の屋上の床に座って、フェンス越しにただぼーっと空を見ている。
お昼ご飯の後の運動なんて眠くてやってられないよー。
グラウンドがある方向からマイク越しに話す声が聞こえる。
「…みんな頑張ってるなー」
「こら」
突然の声にびっくりして肩がビクッと跳ねる。