すべての愛を君だけに。

電波悪いところにいるのかな…?


もう1度、声をかけようと口を開いた時。






『雨…?』






久しぶりに聞く歩ちゃんの声に、胸が張り裂けそうなくらい締め付けられる。


更にドキドキが加速する。






「歩ちゃん…その、えっと…」


『電話、出ると思ってなくてびっくりした』






少しだけ元気のない歩ちゃんの声。


どうしたの?体調悪い?って聞きたいけど、他にも訊きたいことがたくさんあって。


何から言っていいか分からない。






『ごめん』


「え……」


『雨のこと、傷つけた。ほんとにごめん』






謝ってるのはあの保健室でのこと…だよね。


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