すべての愛を君だけに。

お父さんとお母さんには一生、歩ちゃんとのことは内緒でいないといけないんだよね。


…誰にも言えない関係。


それでもわたしは、やっぱり歩ちゃんが好きで。
歩ちゃんにもそうであって欲しい。


そうじゃないと、わたしは嫌だ。


部屋のドアを開けながら通話ボタンを押して耳に当てる。


久しぶりだから…ドキドキする。






「もしもし…」






バタンと部屋の扉を閉め、扉を背もたれのようにしてその場に体育座りをする。


ドキドキしながら電話の向こうから返事が来るのを待っている。


待って…いる…けど何も聞こえない!
何も言ってこない!


え!電話切れてる?


1度耳から離して画面を見たけど、ちゃんと通話中になっている。


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