すべての愛を君だけに。
…コンコンッ。
扉をノックする音、開けられたそこには沙織先生が立っていた。
すごく…綺麗なその姿にわたしは息を飲んだ。
「すみません、遅れてしまって!」
「いいえ、こちらこそこんな寒い中来てくださって」
「とんでもないです。歩さんの同僚の金城沙織です」
そう言って頭を下げた沙織先生に椅子から立ち上がって迎えたお父さんとお母さんも自己紹介をする。
つられて立ち上がったわたしは俯いていた。
沙織先生がほんとに綺麗で…歩くと聞こえるヒールと音さえも透き通って聞こえる。
お父さんの言葉で全員が座ると、ウエイターの人がやってきて、料理の開始を知らせてくれた。