すべての愛を君だけに。

お父さんの仕事の話、勤務先の外国の話、歩ちゃんの仕事ぶり、沙織先生の家族の話など他愛もない話をいろいろしながらコース料理は進んでいく。


どれもすごく綺麗な盛りつけをされていて食べるために崩すのがもったいないくらい。


スープもお肉料理もすごく美味しくて、デザートのフルーツを食べている時。






「沙織さんは歩の恋人ではないんですよね?」






お父さんの質問にドキッと嫌な音を立てる。






「兄貴…電話で話しただろ」


「でもこんな素敵な人が職場にいて、それに今日こうして来てくれてるじゃないか」


「元々、紹介したい人がいるって話してたものね」


「沙織はただの同僚だよ」






フルーツを食べながらお父さんにそう言う歩ちゃんは堂々としていて、何だかほっとした。


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