すべての愛を君だけに。

「歩ちゃんは?何してるの?」


「探してた」


「何を?」


「比嘉を」






わたしを探してた…探してくれてた。
先生として。


わかってる、わかってるけど
嬉しくて…頭が沸騰しそう。






「じゃあもう見つかったから…戻らないと」


「んー…まだここにいるなら一緒にいる」






そう言ってワイシャツの胸ポケットに手を入れ、立ち上がる歩ちゃん。


スーツのズボンにも手を入れて…
これは…煙草吸う時の準備だ。


本当は煙草吸いたいだけなんじゃ…


だけど一緒にいるって言ってくれて居てくれる今が幸せで嬉しすぎる。


カチッと使い捨てライターに火をつける音。


電子タバコじゃないんだ…
立ち上がって歩ちゃんの傍に行く。


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