すべての愛を君だけに。
目の前に写真があってそれを見せられてる以上、否定ができない。
わたしは膝に手を置いて、俯くように今の今まで食べていたフルーツを見つめていた。
どうしよう…どうしたらいいの…。
何も分からない、何をどうしたらいいのか。
これは…転けてしまいそうなわたしを歩ちゃんが助けてくれた時にたまたまってことにしたら…っ。
そしたら…きっと。
「俺は」
きっとこの恋はまだ大丈夫。
歩ちゃんの傍に…居られる。
「俺は雨が好きだ」
お父さんでも
お母さんでも
沙織先生でもない。
歩ちゃんはわたしの目を見ていつもの微笑みでそう言った。