すべての愛を君だけに。
お父さんの肩が震えている…。
でももう嘘は付けない。
「違う…、わたしは歩ちゃんのこと男の人として好き」
「…っ!」
「雨…どうして…っ」
わたしの返事を聞いてお父さんは目を大きく開いた後、ギュッと閉じて俯いた。
目に涙を貯めて今にも零れてしまいそうなお母さんは口元に手を当てる。
2人のこんな姿見た事ない…。
わたしが…わたしが2人を傷つけてる。
お母さんの鼻をすする音と小さな嗚咽がリビングに響く。
「でも…歩ちゃんは悪くない!わたしが」
「もう歩には会わせない」
「え……」
顔を上げたお父さんが言う。
会わせない…?
合わせないって何…。