すべての愛を君だけに。

何ひとつとして忘れられていないのに。


首元のネックレスを握る。


忘れる、なんて無理だ…。
だってこんなに歩ちゃんの事ばかり考えている。


歩ちゃんのことでいっぱい。


わたしは一生歩ちゃんだけが大好き。






「お母さん…」


「うん?」


「一時の気持ちの高まりなんかじゃないよ。わたしは…ちゃんと歩ちゃんが好き」


「…そんなことないっ!許されない…それだけで恋っていうのは周りが見えなくなるくらいになってしまうの」


「信じて貰えなくたっていいよ。わたしと歩ちゃんだけが知ってればわたしはそれでいい」






お父さんとお母さんには迷惑も失望もたくさん与えてしまった。

それはほんとにほんとに…反省している。


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