すべての愛を君だけに。

だけどもう自分に嘘は付きたくない。


これからどんな事があっても…もう2度と会えないとしても。


わたしの想いは絶対に変わらない。


ずっとずっと、歩ちゃんが好き。
お母さんが言うように歩ちゃんが私のことを忘れてしまったとしても。


椅子から立ち上がって、1階を見下ろすように手すりに近づいた。


1階と2階だけどそんなに高さは無いから人の顔や服装までよく見える。


歩ちゃんから貰ったネックレスを見るため、自分の胸元に視線を落とす。


これだけが唯一、わたしと歩ちゃんが一緒に居たという証。


自然と笑顔が零れる。


どうかどうか、歩ちゃんが幸せでありますように。


そう心の中で唱えて、また1階へと視線を移した…時。


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