すべての愛を君だけに。

そんな事言わないでよ…。
まだ会えるかもしれない。


わたしが…わたしが日本に帰ってきたら…。
きっと。


そう思っていたのに歩ちゃんからの会わないの言葉に、胸が痛い。






「…やだ、わたし歩ちゃんがいいっ、歩ちゃんが居ないといやだっ」


「雨、聞いて」


「やだよ…っ」


「雨、俺も雨が居ないと生きていけない。だから…」






耳の傍に唇を寄せる歩ちゃん。


吐息が…くすぐったいよ。







「もしまた会えたら、その時は絶対離さない。…ずっと雨が好きだ」


「…ふ…っ」


「でももし向こうで大切な人が出来たら、その人を大切にしろよ」


「そんなのっ…出来ない!」


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