すべての愛を君だけに。

このくらいなら…許されるよね?


いつか歩ちゃん以上に好きな人が現れた時、この気持ちも忘れて、自分の中で笑い話になる。


その日が来るのを…待ってる。






「早く教室行け」


「一緒に行こ!」


「行きません、早く行かないと放課後居残り掃除させるぞ」


「え!歩ちゃんと!?残る残る!!」






わたしの言葉にため息をつき、「いいから行け」と背中を押された。


仕方ない…これ以上ここに居たら本格的に怒られそうだし。






「またあとでね!」






手を振ると、嫌々ながらも手を振ってくれる歩ちゃんにきゅんとする。


背中に触れられたところが熱い。
触られた…嬉しくなるわたしがいる。


それだけで胸がいっぱいになる。


にやにやしてしまうのを堪えながら教室へと向かった。


< 4 / 393 >

この作品をシェア

pagetop