すべての愛を君だけに。

2人…。


2人はちょっと…気まづいかも…。


わたしが返事をしないでいると天ヶ瀬くんは困ったような顔をする。






「ごめん、嫌なら…」


「いや…!全然、予定もないし…」


「じゃあ決まり、約束」






右手の小指を立ててわたしの方に差し出す。


小さい頃、友達との約束によくした指切り。
久しぶりで、なんだか楽しい気持ち。


わたしも右手小指を立てる。
天ヶ瀬くんと小指同士を絡めれば、少し熱いくらいの体温が伝わる。






「…しゃっ、やる気出てきた」






照れくさそうに笑う天ヶ瀬くんはシャーペンを持ち直して教科書を見ては、問題をとき始めた。


天ヶ瀬くんのこと全然知らないけど学年1位って…そんなに簡単になれないよね?


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