すべての愛を君だけに。
隣にいるなーちゃんの声。
歩ちゃんの方を見てたから試合をしているコートからは目を離していた。
前を見るとこちらにすごいスピードで近づいてくるバスケットボールが。
やばい…、と思った時にはもう遅かった。
避ける余裕もなくてどうしようかと思ってるうちに近づいてきて。
「…っ」
ぶつかる!!
ギュッと目を閉じた……けどやってこない痛み。
「……っぶな」
「天ヶ瀬…くん」
青いゼッケンを着た天ヶ瀬くんの手にはさっきまで真っ直ぐ飛んできていたボール。
ぶつかる前にキャッチしてくれたみたい。
「ぶつかってない?怪我は?」
「だ、大丈夫…」
「よかった…」