すべての愛を君だけに。

「湯川、もう少しで試合始まるぞ」


「じゃあわたしは戻りますね」


「だ、だめ!!!」






立ち上がろうとするなーちゃんの手を握る。


絶対だめ…
今、歩ちゃんと2人になりたくない…!






「望月先生いるから大丈夫でしょ、試合早く終わらせて戻ってくるから」






そう言って優しくわたしの手を握り返して手を離し、保健室を出ていった。


シーンと静まり返る。


…気まづい…。
とても気まづい。


歩ちゃんの顔見れないし…。


なんで、今来るかな…。






「どこも、痛いところないか?」


「…ない!」


「ちゃんと飯食ってんの?」


「食べてるってば…!」


「にしても軽すぎ」


< 65 / 393 >

この作品をシェア

pagetop