すべての愛を君だけに。
さっきまでなーちゃんが座ってた丸椅子に歩ちゃんが座る。
もう座らなくていいから…
早く体育館戻ってよ…。
「歩ちゃんには関係ない…」
「関係あるだろ」
「ないよ!」
「大事な姪、任されてるんだし。何かあったら俺が兄貴から怒られる」
わかってるよ、わかってる。
変に意識してるのはわたしだけで。
歩ちゃんにとってわたしはただの姪で。
そんなのわかってるけど…。
「なんでこっち見ないの」
「見たくないから!」
「どっか痛い?」
「痛くない…か、ら…」
頬に伝わる熱。
グイッと力任せに顔の向きを変えられた。
視線の先にはわたしの顔を覗き込む歩ちゃん。