すべての愛を君だけに。

「…天ヶ瀬来たし、俺は戻るよ」






行かないで。


そう…言えたらどんなにいいか。


ここに居てよ。


言いたい
言えない






「天ヶ瀬、あとは頼んだ」


「はい、歩先生ありがとうございました」






頼まないでいいから、
わたしは歩ちゃんに居て欲しい。


まだ
頬と小指には歩ちゃんの体温が残ってるのに。


遠くになんて行かないで。


わたしの気持ちなんて知らない歩ちゃんはバイバイと、手を振って保健室から出ていく。


わたしはずっと、扉が閉まるまで…扉が閉まって天ヶ瀬くんと2人きりになってもずっと。


歩ちゃんが残した熱に頭がいっぱいだった。


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