すべての愛を君だけに。
危なかった…。
天ヶ瀬くんが来てくれなかったら
歩ちゃんに、気持ちを伝えちゃうところだった。
ベッドの近くに天ヶ瀬くんが来ると、歩ちゃんは入れ替わるように少し離れる。
「頭、強く打ってたよね。痛い?」
「もう大丈夫だよ」
「ほんとに?」
「ほんと、どこも痛くないよ」
「…まじでよかった」
「心配しすぎだよ」
少し笑うわたしに少し真剣な顔する天ヶ瀬くん。
「心配するに決まってる、無理しないで」
「…うん…」
天ヶ瀬くんを真っ直ぐ見れない…。
心配するに決まってる。
この言葉に胸に棘が刺さったように痛む。
この状況…
歩ちゃんはどう思うかな…。