すべての愛を君だけに。

そんな姿でさえ、とても綺麗だと思った。






「沙織先生!?」






天ヶ瀬くんの驚いた声が遠くに聞こえる。


わたし達と同じように手を繋いだ歩ちゃんと沙織先生の姿を見て、胸が変な音を立てる。


ここにいたらだめ。
早く離れなさい。


そう体が言ってる気がするのに、動けない。






「こんなところで会うなんて、奇遇ね」


「え、2人ってもしかして…?」


「…まあ比嘉と天ヶ瀬なら大丈夫か」


「歩の姪御さんと学年1の秀才だもんね」


「え?雨、歩先生の親戚だったの?」






沙織先生…歩ちゃんのこと呼び捨てで呼ぶんだ。

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