すべての愛を君だけに。
そんな心配した顔しないでよ。
そんな声でわたしのこと呼ばないでよ。
「比嘉?」
耐えきれなくて歩ちゃんの横を走って通り過ぎる。
何も整理できてない今のわたしに歩ちゃんと話せる余裕が無い。
下駄箱で上履きに履き替えて教室へ向かう。
今日って…歩ちゃんの授業ある日だっけ。
「雨!」
「なーちゃん、おはよ」
教室に入ってすぐなーちゃんに駆け寄られた。
「昨日何かあったの?」
「体調…悪くて」
「メッセージ送ったのに!全然既読ならないし…」
「ごめん、ずっと寝てた」
「でもクマすごいよ?もう大丈夫なの?」